猫のトイレ回数でわかる健康サイン|排泄の頻度・状態から分かる健康サインと病気の見分け方
猫のトイレは、健康状態を映し出す大切なバロメーターです。排泄の頻度や状態のわずかな変化が、重大な病気の早期サインとなることも少なくありません。今回は、トイレチェックを通して愛猫の健康を守る方法を、具体的な症状から予防策まで詳しく解説します。
健康な猫の理想的なトイレ回数は?
排泄の種類 | 1日の平均回数 | 正常な状態の目安 |
---|---|---|
うんち | 1〜2回 | 適度な硬さ(バナナ状)、茶褐色〜こげ茶色 |
おしっこ | 2〜4回 | 適度な大きさの尿塊、薄黄色〜琥珀色 |
一般的な成猫の場合、1日にうんちは1~2回、おしっこは2~4回が平均的と言われています。ただしこの数値は、年齢(子猫は頻度が高く、老猫は低下傾向)、フードの種類(ドライフードかウェットフードか)、水分摂取量、運動量、さらには性格や環境ストレスによっても個人差が生じます。大切なのは「その子の平常値」を知ること。毎日の観察を通して、愛猫の通常のリズムを把握しておきましょう。
トイレ回数や排泄物の異常から分かる病気のサイン
1. トイレの回数が「少ない」場合
疑われる病気
- うんちが出ない(便秘)→ 毛玉症、巨大結腸症、脱水、神経疾患など
- おしっこが出ない→ 尿道閉塞(特に雄猫は命に関わる!)、膀胱炎(痛みで我慢)など
こんな症状が見られたら注意!
特に排尿が24時間以上ない、またはうんちが3日以上出ていない、苦しそうにいきんでいる(出ない)場合は、時間外でも直ちに動物病院へ連れて行ってください。尿路閉塞や重度の便秘は死に至る可能性があります。
飼い主ができる対策
- 水分補給の工夫:流水式給水器、ウェットフードを活用、だし汁(無塩)で水を味付け。
- トイレ環境の改善:「猫の数+1個」設置し、清潔で静かな場所へ。
- 便秘対策:可溶性食物繊維入りフード、遊びで運動を促す。
- ストレス管理:安心できる空間づくりとルーティン維持。
- 定期健診:7歳以上の猫は年1〜2回の健康チェックを。
2. トイレの回数が「多い」場合
疑われる病気
- 頻尿(少量ずつ何度も)→ 膀胱炎、尿路結石、糖尿病
- 多飲多尿(大量の薄い尿)→ 腎不全、甲状腺機能亢進症、糖尿病
こんな症状が見られたら注意!
- 糖尿病:体内の余分な糖分を尿と一緒に排出しようとするため、薄くて大量の尿(多尿)が出るようになります。その結果、体内の水分が失われて喉が渇き、たくさんの水を飲む(多飲)ようになります。
- 甲状腺機能亢進症:主に10歳以上の高齢猫に多く見られるホルモンの病気です。多飲多尿に加え、「よく食べるのに体重が減る」「落ち着きがなくなる」「被毛がパサつく」といった症状が現れるのが特徴です。
- 腎臓病/慢性腎不全:腎臓の老廃物をろ過・濃縮する機能が低下することで、尿が薄くなり、その分たくさんの尿が作られます(多尿)。失われた水分を補おうとして、水をたくさん飲むようになります(多飲)。
- 膀胱炎や尿道炎:膀胱が過敏になってしまい、少量の尿しかためられなくなるため、頻繁にトイレに行くようになります(頻尿)。しかし1回の排尿量は少なく、血尿が出たり、排尿時に痛がる様子が見られることもあります。
飼い主ができる対策
- 飲水・排尿量を記録:毎日コップや計量カップで確認、トイレ砂の尿塊サイズも観察。
- 高齢猫のトイレ負担軽減:段差をなくす、低めの縁のトイレを複数設置。
- 早めの受診:1日100ml/kg以上の水を飲んでいる場合は要注意。
- 療法食の活用:糖質制限、リン・タンパク質制限、pH調整など、病気別に対応。
排泄物の異常から分かる病気
うんちの状態
状態 | 疑われる原因 |
---|---|
硬くて小さい | 便秘、水分不足、毛玉 |
柔らかい〜水様 | 食物アレルギー、消化不良、感染症、IBD |
黒っぽい | 胃や小腸からの出血(メレナ) |
赤い血が混じる | 大腸や直腸の出血、肛門の裂傷など |
白い点が動く | 寄生虫(条虫・回虫) |
灰色〜白く油っぽい | 膵臓や肝臓疾患 |
おしっこの状態:
状態 | 疑われる原因 |
---|---|
濃い黄色〜琥珀色 | 脱水、肝臓疾患 |
薄い〜無色透明 | 多飲、多尿、腎不全の可能性 |
血尿 | 膀胱炎、結石、腫瘍 |
白濁、膿混じり | 細菌感染 |
強いアンモニア臭 | 感染症の兆候 |
重要なのは「いつもと違う」かどうかです。 普段の状態を知っておくことで、変化に気づきやすくなります。
猫トイレのチェックを効率化!役立つグッズと記録方法
毎日忙しくても、大切な愛猫の健康を守るためには「排泄のチェック」がとても大切です。ここでは、手軽に排泄状態を把握できるおすすめの方法をご紹介します。
-
排泄記録ノート・アプリを活用
スマホのメモ機能やカレンダー、専用のペット健康管理アプリを使えば、簡単に日々の様子を記録できます。
記録のポイント
- 日付・時間
- うんちの回数/状態(硬さ・色・量・異物など)
- おしっこの回数/量(※砂の塊サイズでS/M/Lなど目安)・色・におい
- 飲水量(給水器の減りなどから確認)
- 食欲や元気の有無、嘔吐など気になること
-
スマート(自動)猫トイレの活用

- 強力な消臭力で快適な空間を実現
- 手間を軽減、ゴミ捨ての臭い漏れも最小限に
- ランニングコスト高効率性
- 最大15kgまで耐える、大型猫でも利用可能
猫の入退室を感知し、排泄の回数・時間・体重などを自動記録してくれるスマートトイレも便利。
高機能モデルでは、複数の猫を識別できる機能付きのものもあり、グラフでデータを可視化してくれるので、ちょっとした異変にも早く気付けます。
💡 糞尿の自動処理機能がついているモデルもあり、お掃除もラク!
-
ペット用監視カメラの設置
トイレ周辺や水飲み場にカメラを設置することで、実際にトイレに行った回数や飲水行動をチェックできます。
「排尿ポーズをとっているのに尿が出ていない」など、異常行動の発見にも役立ちます。
-
計量カップ・スプーンで飲水量を管理
給水器に補充する水の量を毎回計測するだけでも、1日の飲水量を把握できます。
ウェットフードに加える水の量を調整する際にも便利です。
【まとめ】トイレは猫からの健康サイン
猫の排泄行動は、健康状態を知るための大切なバロメーターです。
猫の排泄の平均的な回数:
- うんち:1〜2回/日
- おしっこ:2〜4回/日
注意すべきサイン:
- 回数が極端に多い・少ない
- 排泄物の色・におい・状態に異常がある
- 排泄時に苦しそうな様子が見られる
これらの変化が見られた場合は、重大な病気の兆候である可能性があります。
普段から愛猫の排泄のリズムを把握し、「いつもと違う」に早く気づくことが、病気の早期発見・早期治療につながります。
また、記録アプリやスマートトイレなど便利なツールを取り入れれば、忙しい日常の中でも健康管理がしやすくなります。 毎日のトイレチェックで、大切な愛猫の健康を守りましょう!
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